当法人による助成金申請サポート:キャリアアップ助成金・業務改善助成金

社会保険労務士の平良です。企業の持続的な成長と従業員の働きがい向上を支援するため、助成金の活用は非常に有効な手段です。特に、人材育成や生産性向上に関心の高い経営者様からご相談の多い「キャリアアップ助成金」と「業務改善助成金」について、申請書類の作成から届出までのポイントを、専門家の視点からご説明します。

社会保険労務士の役割

助成金の申請は、要件の確認、計画の策定、多数の書類作成、そして行政機関とのやり取りなど、非常に煩雑で専門的な知識が求められます。当法人は、以下の点で経営者様を強力にサポートいたします。

  • 最適な助成金の選定と提案: 企業の現状や課題をヒアリングし、数ある助成金の中から最も適した制度をご提案します
  • 精度の高い書類作成: 支給要件を正確に理解し、計画書や申請書を不備なく作成します。労働関連法規の専門家として、就業規則や雇用契約書など、関連規程の整備も併せてサポートします
  • 手続きの代行と時間的負担の軽減: 経営者様が本業に専念できるよう、計画の届出から支給申請までの一連の手続きを代行します
  • 行政機関との円滑な連携: 問い合わせや質疑応答など、行政機関とのやり取りをすべて代行し、スムーズな審査を促します

1. キャリアアップ助成金:非正規雇用労働者の処遇改善

キャリアアップ助成金は、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成される制度です。

主なコースと申請の流れ(正社員化コースを例に)
最も活用されることの多い「正社員化コース」を例にご説明します。

【目的】
有期雇用労働者等を正規雇用に転換、又は直接雇用することを目的とします。

【申請の大まかな流れ】

  1. キャリアアップ計画の作成・提出
    • ポイント: 誰を、いつ、どのような手順で正社員化するのか、具体的な計画を策定します。対象となる労働者の意見を聴取し、その内容を記録することも重要です。この計画書は、取組実施日の前日までに管轄の労働局へ提出する必要があります。
  2. 就業規則の改定と周知
    • ポイント: 正社員への転換制度を就業規則に明記する必要があります。転換の要件や手続き、待遇などを定め、労働者へ周知徹底します。法的に有効な就業規則の作成・変更をサポートします。
  3. 正社員への転換の実施
    • 計画に基づき、対象となる労働者を正社員に転換します。
    • ポイント: 労働条件通知書(雇用契約書)を新たに作成・交付します。転換後の賃金が、転換前の6か月間と比較して3%以上増額していることが必須要件です。賃金台帳や出勤簿でこの事実を客観的に証明できるよう、適切な労務管理が求められます。
  4. 支給申請
    • 転換後、6か月間の賃金を支払った日の翌日から2か月以内に、管轄の労働局へ支給申請書を提出します。
    • ポイント: 支給申請書に加え、転換前後の雇用契約書、賃金台帳、出勤簿など、多数の添付書類が必要です。これらの書類に整合性が取れているか、専門家の視点で厳しくチェックし、万全の状態で提出します。

2. 業務改善助成金:最低賃金の引上げと生産性向上

業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を引き上げ、同時に生産性向上に資する設備投資などを行った場合に、その費用の一部を助成する制度です。賃金引上げと設備投資をセットで行う点が特徴です。

申請の流れとポイント

【目的】
中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内最低賃金の引上げを図ることを目的とします。

【申請の大まかな流れ】

  1. 助成金交付申請
    • どのような設備投資を行い、どのように生産性を向上させ、その結果として賃金をいくら引き上げるのか、という事業実施計画を作成し、申請します。
    • ポイント: この助成金の肝は「事業実施計画」です。POSレジ導入による業務効率化、在庫管理システムの導入、リフト付き特殊車両の導入による作業負担軽減など、投資内容と生産性向上の因果関係を明確かつ具体的に示す必要があります。説得力のある計画書作成を支援します
  2. 交付決定
    • 労働局で審査が行われ、計画が承認されると交付決定通知が届きます。この通知を受けてから、設備投資などを発注・実施する必要があります。
  3. 事業の実施と賃金引上げ
    • 計画に沿って設備投資などを行います。その後、事業場内最低賃金を計画通りに引き上げます。
    • ポイント: 賃金の引上げは、就業規則や賃金規程に明記し、対象労働者に周知する必要があります。また、設備投資にかかった費用(見積書、納品書、請求書、領収書など)は、後日の報告で全て必要になるため、厳格な管理が求められます。
  4. 事業実績報告
    • 事業実施期間が終了後、定められた期日までに実績報告書を提出します。
    • ポイント: 計画通りに事業が実施されたことを証明する書類(経費の証拠書類、賃金引上げ後の賃金台帳など)を整理し、報告書を作成します。計画と実績に相違がないかを確認し、不備のない報告を行います。
  5. 助成金の支給
    • 報告書が審査され、内容が認められると助成金が支給されます。

まとめ

助成金は、企業の財務基盤を強化し、従業員のエンゲージメント(愛着心や思い入れ)を高める絶好の機会です。しかし、その手続きは複雑で、適切な労務管理が土台となって初めて成功します。

当法人は、助成金申請の専門家であると同時に、日々の労務管理のプロフェッショナルです。書類作成・提出の代行はもちろんのこと、助成金の活用をきっかけとした、より良い職場環境づくりまで、トータルでサポートいたします。

まずはお気軽にご相談ください。貴社の状況に合わせた最適な提案をさせていただきます。